DEX(分散型取引所)は取引所とウォレットの融合

DEX(分散型取引所)は取引所とウォレットの融合
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仮想通貨取引所が抱える現状問題

仮想通貨の取引自体は、2012年ごろから既に行われていました。爆発的な人気を誇ったのは、2017年5月の「仮想通貨バブル」発生からです。

大企業の数々が仮想通貨業界に参入を果たし、投資家たちは一斉に仮想通貨の取引を始めました。その結果、仮想通貨は100倍近くの高騰を見せ、1円にも満たないアルトコインが標準価格まで上昇するなど、その影響は非常に大きなものでした。

しかし、その繁盛も長くは続きませんでした。2018年1月、国内の取引所「coincheck」に預金されていたNEMが流出するという「コインチェック事件」という大規模な盗難事件が発生。その被害額は仮想通貨史上の被害額とも言われています。

取引所の杜撰な資金管理が原因だったにもかかわらず、「仮想通貨は危険」という誤認が広まり始め、仮想通貨から手を引く人もいました。

今後を見据えての対策方法

仮想通貨バブルや流出事件の報道を切掛けに、仮想通貨は良くも悪くも有名になりました。様々なメディアで取り沙汰されるようなり、企業から個人まで参入者も続々と増えています。

しかし、その全てが良識のあるユーザーとは限りません。

近年のハッキング被害

DNSサーバーのハイジャック

2018年4月、ウェブウォレットのDNSサーバーがハイジャックされるという事件が発生しました。被害を受けたのは「My Ether Wallet」というイーサリアム専用のウェブウォレットです。

詐欺サイトへリダイレクトするように仕組み、そこから個人の資金を盗難するという手口でした。所謂ハッキングによる流出ではない為、ウォレットに保管されている預金は無事でしたが多数の利用者が運用資金を盗難され、その被害総額は15万ドル相当に及びます。

コールドウォレットの不採用

仮想通貨のアドレス情報を、デバイスや用紙に記録することで保管するウォレットです。保管した仮想通貨はインターネットから完全に隔離されるため、ハッキングを受けることはありません。その為、取引所の預金はコールドウォレットによる隔離保管により管理されています。

しかし、全ての取引所がこの管理体制を取っているわけではありません。現にコインチェックはコールドウォレットによる隔離管理を怠ったためにハッキングされました。また、小規模な海外取引所などはセキュリティ対策が万全でないことも多く、ハッキング被害の報告が相次いでいます。

取引所やウォレットのセキュリティは完全ではない

上記の例でも分かるように、取引所やウォレットの保管は必ずしも安全ではありません。これらのセキュリティ対策は、すべて運営に依存するためです。通常の取引所は、常に不祥事によるリスクを伴っているのです。

DEX(分散型取引所)とは

セキュリティを始めとした様々な面で問題を抱える仮想通貨取引所ですが、運営の管理外で安全に取引を行える、お勧めの取引所が存在します。「DEX」とは、取引所とウォレットの機能を融合した利便性と、既存の取引所が抱える課題を打開する性能を持つ、「次世代の取引所」として注目されているのです。

中央集権型取引所の仕組み

中央集権型は取引所の運営企業が中心となって稼働しています。利用者の資金はすべて取引所のウォレットによって管理され、取引履歴は全て取引所のデータベースに記録されます。その他、サーバーやセキュリティを管理しているのも運営です。

つまり、中央集権型のセキュリティは全て運営に依存するため、例えばコインチェックのような不祥事による資産損失リスクも十分に考えられます。

更に資金や取引記録の管理は全て運営が仕切っている為、スタッフによる横領事件が頻発しており、利用者からの信用を落としている状況です。

分散型取引所の仕組み

分散型取引所はブロックチェーン上に存在しており、例えば運営者のような「中央管理者」がいません。これにより、企業の不祥事や倒産による資金喪失のリスクがありません。

取引記録はすべてブロックチェーン上に残る為、データ改ざんなどの不正行為リスクもなく高いセキュリティ性能を誇ります。

更に、取引所のセキュリティ性能は基本的に運営に依存しますが、DEXはすべて利用者個人が設定を行うため、運営によってセキュリティ強度が左右されることはありません。裏を返せば、資産の保護は全てユーザーの自己責任となります。

分散型取引所を形成する2つの要素

中央管理者の存在しない分散型取引所が、如何にしてブロックチェーン上に成り立っているのか。この取引所を維持している主な要素として「P2Pネットワーク」「トラストレス」の2つが組み込まれています。これらの特徴とシステムについて、簡単に解説いたします。

P2Pネットワークとは?

P2Pネットワークには中心管理者がおらず、P2Pの参加者全員が管理者となって稼働しています。すべてのデバイスが分散している為攻撃に強く、全てのユーザーが対等な立場で取引を行えるため、規制が起こりにくいという良点があります。

更に、トランザクションの記録は全て保持されるため、詐欺や不正による被害を防ぐとも出来ます。

また、管理者が存在しない為に、24時間365日稼働しており、時間帯によって入出金が不可能ということもなく、ブルタイムで利用が可能です。

本人確認が不要!トラストレスとは?

「信頼のおける第三者を必要としない」という意味を持ちます。従来の取引は送金の安全性を確保するために、銀行などの第三者が介入する必要がありました。しかし、その介入者が本当に安全かという保証はありません。時には送金の間に横領される危険性もあります。

DEXは、その第三者を必要としません。ブロックチェーンのネットワークは参加者全員が送金を管理する役目を持ち、更にデータ改ざんなどの不正行為が出来ない仕組みとなっているため、介入がなくとも安全に送金可能であるからです。

DEXのデメリット

現在のDEXは、管理者の支配権から逃れることでメリットを得た代償として、新たなデメリットを幾つか抱えています。

取引板が薄く流動性が低い

DEXは全体的に利用者が少なく「流動性リスク」が伴います。流動性が低いと、注文が約定せず取引が成立しない可能性があります。思うような取引を行えないため、高い利益は見込めないといってよいでしょう。

現段階では様々なことに手数料が発生

DEXは他の取引所やウォレットと比較すると非常にコストが高いです。大抵の海外取引所であれば入金手数料は無料ですが、DEXでは入金の際も派生します。更に、手数料型の取引所よりも比較的多額な為、頻繁なトレードには向いていません。

取引ペアが少ない

取引可能なペアが少ない取引所も多く、トレードの自由度は低いです。普段から購入に使用している通貨が、実は使用不可だったということもある為、事前に対応通貨を調べてから取引を行いましょう。

サポートがない

先に述べたように、DEXは中心となる管理者が存在しません。一般的な取引所では、スタッフによるコールサポートや、サーバーダウンによるトラブルの保障などを設けている場合が大半ですが、DEXは運営者がいない為、それらのサポートを行うスタッフがいません。その為、被害を受けても全て利用者の自己責任となります。

開発情報が不明瞭

開発者などの情報不明な場合も多く、信用性が低いのも欠点です。類似した詐欺サイトなどを作成された際に、本物・偽物の判断材料が少ない為に、誤ってログインし個人情報を抜かれる危険性があります。移動先のアドレスは正しいか、記載事項に不審な点はないか、よく確認を行いましょう。

中央と分散のメリット・デメリットまとめ

中央集権型取引所  分散型取引所(DEX)
顧客資産の管理者 取引所の運営企業 ネットワーク参加者(ユーザー)
資産(秘密鍵)流出の被害 保管している資産全て 被害を受けたユーザーのみ
取引量 多い 少ない
販売手数料 安い(取引所による) 高い(入出金においても発生)
通貨ペア 仮想通貨、法定通貨 DEXの独自トークンなど
本人確認の有無 必要あり 必要無し

代表的なDEXを紹介

中央集権型取引所

なDEXをピックアップしました。利用を考えている方は、是非参考にしてください。。

EtherDelta(イーサデルタ)

URL:https://etherdelta.com/(ハッキングによるサーバー乗っ取りの報告があるため注意!)

特徴

全てのERC20トークンに対応したETH専用のDEXです。未上場またはICO直後のトークンを購入出来るなど、ICO参加者にとっては必須とも言えるDEXです。

規模

DEXの中でも利用者が多く、ICO参加者の割合が特に多いです。しかし、利用者は数万に程であり、1日当たりの取引量は約11億円と、他の取引所に比べると圧倒的に少ないです。

使いやすさ

トークン同士のペアで取引が可能で、DEXの中でも屈指の取引ペア数を誇ります。また、イーサリアム系の仮想通貨が即座に上場する取引所であることもあり、様々なマイナー通貨を探すことが出来ます。しかし、利用者が多い為にサーバー負荷が大きいのか、エラー頻発の報告もあります。

登録方法

※取引を行う場合は「MetaMask」への登録を完了し、連携させる必要があります。

①右上の赤枠で囲った「select account」をクリックします。

②メニュー内の「Import account」をクリックします。

③ウォレットのアドレスと秘密鍵を入力します。

口コミ・関連記事など

Counterparty(カウンターパーティー)

URL:https://counterparty.io/

特徴
独自トークンの発行・販売所として開発されたDEX及びプロジェクトの名称です。独自のブロックチェーンではなく、ビットコインのブロックチェーン上で運営されています。専用トークン「XCP」を発行しており、Counterpartyのプロジェクト上で利用されます。

「PoB」と呼ばれるアルゴリズムを採用しており、XCPを秘密鍵が解らないアドレスに送り使えなくする「Burn(燃やす)」という行為が可能です。これにより、燃やした通貨を独自トークンとして発行する仕組みとなっています。

規模

価格の波が激しく、およそ一か月ごとに1000円程の値動きが見られます。1月のバブル時には、10,000円まで高騰しましたが、半月で急落。現在は1000~2000円あたりの値動きを見せています。

使いやすさ
独自トークンの発行が可能ですが、必須となるXCP自体の発行量が260万枚程度とかなり少なく、取引量も多くありません。更に値動きが激し伊などの問題もあり入手が困難な為、現状では独自トークンの発行は難しいと言えます。

登録方法

①公式のトップページ「始める」をクリックし、下の方へスクロールしてウォレット作成ページへ移動します。

②左の「Counterparty」をクリックします。

③「Create New Wallet」をクリックし、ウォレットを作成します。

④「Passphrase」が生成されるので必ずメモしましょう。忘れてしまうと、ウォレットへアクセスが出来なくなります。

⑤クイックアクセスURLの生成を行うか質問されます。生成するとパスフレーズ入力が省略されます。URLも紛失すると大事になる為、大事に保管しましょう。

口コミ・関連記事など

https://twitter.com/GYNR_crypto/status/985091198527324160

Waves Lite Client(ウェーブスライトクライアント)

https://waveswallet.io/

特徴

上記に同じく、独自のトークンを発行できるDEXです。ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨だけでなく、ドルやユーロなどの法定通貨も使用可能です。独自トークンとして、「Waves」を発行しています。不正防止として「LPoS」というシステムを採用しており、ノードをリースすることにより、マイニング報酬を受け取ることが可能です。

規模

ICOによって資金調達を試みましたが、参加者への連メールが正常に届かず、状況の確認も出来ないなどのトラブルが多発し、価格は下落。その後、5月の仮想塚バブルで持ち直し、現在は「1waves=650円」あたりを維持している状態です。

使いやすさ

法定通貨が入金可能ですが円には対応していないので、国内での利用は購入用通貨が必要となります。また、取り扱う仮想通貨野かが非常に少なく、「BTC」「ETH」等の流動性の高い通貨しか取引でしません。しかし、トークンの発行が容易で費用も安く、発行後は即座に取引可能です。

登録方法

①「NEW ACCOUT」をクリックします。

②利用規約が表示されるため、「I UNDERSTAND」をクリックし同意しましょう。

③登録フォームが表示されるので、名前とパスワード(2回)を入力しましょう。「WALLET SEED」の項目は、パスワードを忘れた際に必要なバックアップコードとなるので、必ずメモを取り厳重に保管しましょう。

口コミ・関連記事など

DEXは新しい仮想通貨取引の形

DEXはまだ認知度が低く利用者も少ないですが、新しい取引所として大いに期待されています。様々なデメリットを抱えているのも事実ですが、それを覆すほどのメリット・利便性を備えているのも事実です。

DEXは発展途上の取引所です。不祥事の連続により、中央集権型の取引所から離れる人も、次第に増えて行くだろうと推測されます。これから知名度を上げて、誰もが安全に利用できる取引所として、その地位を確立させて欲しいと願います。

 
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