仮想通貨をあらゆる危険から守る財布「ウォレット」について解説

仮想通貨をあらゆる危険から守る財布「ウォレット」について解説
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目次

何故ウォレットを用意する必要があるのか

「GOX」という言葉をご存知でしょうか。これは不正アクセスやハッキング攻撃、取引所の不祥事などにより、預金していた仮想通貨が消失してしまう現象を意味します。

GOX被害の殆どは、取引所へ仮想通貨を預けたままにしていたために起こります。取引所は銀行ではありません。中央集権者のいない仮想通貨の管理責任は、全て保有者自身にあるのです。

流出事件の数々

日本での事件

日本での流出事件は、2018年1月に発生した「コインチェックNEM流出事件」が、最も記憶に新しい盗難事件と思われます。被害総額は5億NEM(日本円にして約580億円)の大損害であり、仮想通貨史上最高の被害額とされています。

取引所の管理体制に大きな原因があり、コールドウォレットによる隔離保管を怠ったために、コインチェックの預金は容易に盗難できる状態でした。この事件は、仮想通貨の知識が無い一般層に「仮想通貨は危ない」という誤認を植え付ける、最悪の結果を招きました。

国内では以前にも、上記の「GOX」という言葉の語源になった、2014年の「Mt. Gox事件」という65万BTCと28億円が流出した、同様の盗難事件が発生しました。

こちらは取引所の破綻という結末を迎え、真相が発覚しないままに現在に至ります。消失した通貨の行方も分からず、主犯者に至っては、容疑者は何人か上がったのみで不明のまま、捜査が難航しています。

海外での事件

流出事件は日本のみならず、海外でも多発しています。2016年には「The DAO 事件」と呼ばれるETH流出事件が発生し、360万ETH(約43億円)という多額の資金が不正送金されました。

「The DAO」とは仮想通貨プロジェクトの名で、被害にあった通貨はICO内で調達した資金でした。サービスの脆弱性とシステムの不具合が引き起こした事件で、流出のリスクは取引所のみではないことを証明した、仮想通貨プロジェクト全体に関わる大事件です。

既存の仮想通貨セキュリティは、このような流出事件の連続によって培われた技術なのです。自身の財産を失わない為にも、保有者自身が万全のセキュリティ体制を整和える必要があります。

インターネットの危険性

まずは、仮想通貨を取り巻く環境の中に、どの様な危険が潜んでいるかを知りましょう。財産を狙う悪質な手法の数々を、頭に入れる必要があります。

フィッシング

取引所の公式サイトに成り済ましたダミーサイトへ誘導し、ログイン画面から個人情報を送信させる手口です。公式ページに類似したレイアウト・アドレスを使用している為、一般の方からは区別が付きにくく、住所や電話・クレジット番号などの情報を盗まれる恐れがあります。

ウィルス

公式のソフトウェアなどを装い、ダウンロードによってウィルス(マルウェア)を仕込ませる手法です。ウィルスに感染した端末は、通貨を流出・盗難される可能性があります。最近では、「トロイの木馬」に感染した端末でマイニングを行い、不正に報酬を得るという手口が多発しています。

ハッキング

取引所や個人の端末に不正アクセス(侵入)を行い、保管されている資金を盗む手法です。仮想通貨の盗難手口として最も多く、上記の流出事件はハッキングによる被害です。攻撃を受けた端末は通貨を盗まれるだけでなく、ハッカーに乗っ取られ悪用される危険性もあります。

取引所のセキュリティはどこまで信用できる?

セキュリティ性の高い取引所は、パスワードの確認と同時にメール・SNS認証を行う「二段階認証」や、仮想通貨を隔離して保管する「コールドウォレット」を利用し、不正アクセスや資金の流出を防いでいます。

しかし、これらのセキュリティ体制はハッキング被害の連続によって培われた技術です。セキュリティの強化と同時に、不正ユーザーは手口を変えて様々な攻撃を仕掛けるため、確実な安全性を保障できる取引所は存在しません。

更に、最新のセキュリティを導入していない取引所も多く、実際にコインチェックは隔離保管を怠っていたために被害を受けました。取引所への預金を考える場合、上記二つの対策を取っている取引所を利用することを推奨します。

仮想通貨を安全に保存「ウォレット」とは

「ウォレット」とはその名が示す通り、仮想通貨を安全に保管するための「財布」または「金庫」としての役目を持ちます。

ソフトウェアやハードウェアなど様々な形式が存在し、保管できる通貨の銘柄も、ウォレットごとに異なります。

ウォレットの必要性

仮想通貨を取引している方であれば誰でも必要となりますが、特に長期の保有・トレード行っている方や、日常的に仮想通貨を使用・携帯したいという方は、優先的に導入することを推奨します。

ウォレットの種類

ウォレットの種類とそれぞれの特徴を把握して、自身の運用方法に適した製品を選びましょう。コストや入出金の速度だけでなく、対応する通貨の銘柄にも違いがある為、購入前には必ず確認しましょう。

ウェブ 

ウェブ上のサイトに登録し、サーバー内で管理する形式のウォレットです。端末の使い分けが可能な上に、アクセスのみで入出金が可能なため、高い利便性を持ちます。

しかし、インターネット上の保管はハッキングの危険性が高く、セキュリティ性もすべて運営者に依存します。その為、他のウォレットと比較すると安全性に欠けます。

デスクトップ

PC内に導入することで使用できるウォレットで、「ソフトウェアウォレット」とも呼ばれています。入出金が非常に用意で、仮想通貨を頻繁に運用する方にお勧めします。

しかし、インターネットへ接続している間はハッキングを受ける危険性に晒されるため、PCを使用しない時は必ずオフライン状態にすることが望ましいです。

追記情報-NEM(ネム)専用モバイルウォレットが登場-

株式会社RambleOn(ランブルオン)によって開発されたウォレットで「Pico Wallet」と言います。ブラウザ上で動作するためすぐに利用できるウォレットとなっています。(iOS、Android、PC全てにおいて利用が可能)

シンプルで使いやすいものと評判がいいです。

ハードウェア

仮想通貨のアドレスと秘密鍵の情報を、専用デバイス内に保管するタイプのウォレットです。インターネットから隔離管理できる為、高い安全性を誇ります。

本体は非常に高コストで在庫が少ないですが、中古品には不正なプログラムが仕込まれている可能性があるので、正規代理店にて定価で購入することをお勧めします。

ペーパーウォレット

アドレスや秘密鍵などの情報を、紙に印刷することで保管するウォレットです。必要となるのはプリンターとコピー用紙のみである為、低コストでの隔離保管が可能です。

頻繁な入出金には向いておらず、長期保有向けのウォレットとなります。用紙の損傷・紛失や情報漏洩には、十分注意を払いましょう。

DEX

「非中央集権型取引所」と呼ばれるシステムで、ウォレットから。DEXは中央管理者が存在せず、ブロックチェーン上で取引が行われています。秘密鍵などの管理はすべて保有者が行い、取引履歴は全て台帳に記録されます。

ハッキング被害のリスクが非常に低く利便性も高いですが、入出金の度に手数料が掛かり、小さい取引所では送金ミスや資金消失などの危険性があります。

ウォレット早見表

 

ウォレット形式 安全性 利便性 コスト 公式サイト
ウェブ × https://blockchain.info/
デスクトップ  https://bitcoin.org/ja/
ハードウェア ×  https://zaif.jp/trezor
ペーパー ×  https://www.bitaddress.org
DEX  https://etherdelta.com/

◎=非常に良い 〇=良い △=やや悪い ×=悪い

代表ウォレットを一部紹介

ウェブ形式

取引所

「bitFlyer」

国内で最も人気の高い仮想通貨取引所です。二段階認証やマルチシグを始めとした高いセキュリティ対策を取っている他、500万円までの補償制度を設けています。しかし、扱う通貨の銘柄は6種類と非常に少ないのが欠点です。

オンラインウォレット

「Blockchain.info」

ビットコイン対応ウォレットの中でも最も有名なサイトです。保管可能な通貨はビットコインとイーサリアムのみですが、日本語へ対応している他、データ破損の対策としてバックアップ機能を搭載しているなど、使いやすいウォレットです。

デスクトップ形式

完全型

「Bitcoin Core」

ビットコイン専用のPC対応ウォレットです。機能面やセキュリティ性能に優れていますが、導入時に大容量のブロックチェーンをダウンロードするため、起動毎にかなりの時間を要します。場合によっては数時間から数日かかる可能性もある為、短期運用には不向きです。

簡易型

「Copay」

デスクトップ・モバイル両方の導入が可能なウォレットです。無料で利用することが出来る他、通貨の売買も可能です。一つのアプリ内に複数のウォレットを用意できるため、分散保有を行えます。

媒体形式

ハードウェアウォレット

「Trezor」

デバイスとPCをUSBケーブルで接続するタイプのウォレットです。100カ国以上で利用されている人気の高いウォレットで、シンプルなデザインや対応通貨の豊富さなどが魅力です。「Zaif」が正規代理店となっているため、他の販売店で購入しないようにしましょう。

ペーパーウォレット

「Bit address.org」

世界的な人気を誇る、ビットコイン対応のウォレット作成サイトです。ウォレット作成の他、オフラインの環境下でアドレスの生成が可能です。日本語に対応している為、比較的使いやすいサイトです。

DEX

「Ether Delta」

イーサリアム専用の分散型取引所で「ERC20トークン」を全て取り扱っています。トークン同士のペアで取引が可能で、未上場またはICO直後のトークンを購入出来ます。しかし、エラーの多さや手数料の高さがネックとなります。

取引に合った選び方

短期トレード

短期トレードは状況に合わせた対応が求められる為、迅速な入出金を行う必要があります。入出金の回数も多くなるため、なるべく手数料を抑えなければいけません。

その為、トレードを行う端末から直接入出金を行える、ウェブウォレットやデクストップウォレットをお勧めします。DEXは手数料のコストがあるため非推奨です。

長期トレード

長期のトレードを行う場合はセキュリティ性の高いウォレットを選びましょう。取引所へ預金したまま運用すると流出リスクを伴います。手数料を支払う回数も減るため、コストよりも安全性を重視した、DEXや端末形式のウォレットをお勧めします。

高額保有

長期の高額保有は標的となる危険性が高く、損失のリスクが最も大きいと言えます。なるべくインターネットから隔離したウォレットでの保管が望ましいです。

コールドペーパーやハードウェアによる厳重な管理を推奨します。高コストではありますが、保管用にPCを購入しソフトウェアウォレットを利用する方法もあります。

少額保有

多額の資金を保有しないのであれば、手数料の掛からないウォレットを利用しましょう。低コストでスムーズな入出金を行えるデスクトップウォレットやウェブウォレットをお勧めします。流出リスクを避ける場合は、複数のウォレットへ分散すると安全です。

頻繁なトレード

頻繁にトレードを行う場合、入出金のコストや手間を削減する為にも取引所への預金を推奨します。盗難リスクを減らす為に定期的なパスワード変更や運用資金の出金、複数の取引所へ登録する資金分散などの対策を行いましょう。

ウォレットを利用する場合は、短期トレードと同じく直接入出金が可能なソフトウェア形式をお勧めします。

違った角度から!主要通貨ごとのおすすめウォレット

BTC

Breadwallet

ビットコインのみに対応したモバイルウォレットです。セキュリティ・コストの両面が優れており、高い人気を誇ります。利便性に特化したウォレットであり、複雑な機能もなく初心者でも安心して利用できます。

Bitcoin Wallet

「Phone」「Android」に対応しているモバイルウォレットです。無料で利用できる他、国内の大手取引所「bitflyer」が出資しているなど、信頼性の高さも魅力です。日本語未対応ですが、シンプルなデザインで非常に使いやすいウォレットです。

ETH

My Ether Wallet

PC上で保管するデスクトップウォレットです。全てのERC20トークンに対応しており、他のウォレットと連携を取れます。ペーパーウォレットとしても利用できる為、様々な運用に対応できるウォレットです。

MetaMask

「Chrome」「Firefox」などのブラウザ上で起動するウォレットです。拡張機能として利用できるため使いやすく、他のイーサリアムウォレットと連携が取れる為、イーサリアムを中心に運用している層に人気のウォレットです。

その他

Nano Wallet

「XEM」専用のウェブウォレットです。XEM公式が公開しているウォレットで信頼性が高く、XEMを一定以上保有することで、「ハーベスト」による利益を受け取れる可能性があります。XEMの対応ウォレットを探している方に、是非お勧めします。

Ledger Nano S

「Zaif」が正規代理店を務めるハードウェアウォレットです。対応通貨が豊富で、上記二つの通貨以外に「リップル」や「ライトコイン」、「ダッシュ」などのアルトコインに対応しており、現在は26種類の通貨を管理できます。アルトコインを長期保有したい方にお勧めするウォレットです。

ウォレットに関するユーザーの声

https://twitter.com/sassymanyuichi/status/956873937081614337

https://twitter.com/79yuuki/status/956881603577327616

今までの流出事件を踏まえて、ウォレットを利用しているユーザーは多いです。長期にわたって仮想通貨を保有しているユーザほど、取引所への預金はリスクが高いことを熟知しています。

ビットコインはウォレットに入れてGOXを回避しよう【仮想通貨・アルトコイン】

 

コインチェック事件後、上記のようなウォレット推奨の記事も増えています。ウォレットの重要性を知り、自身の財産を守る知識を身に付けましょう。

今後、益々ウォレットの存在が必要になる 

各国における仮想通貨の保有率は非常に低く、多くとも10%程とされていますが、これから手に取る方々も徐々に増える推測されます。

需要が高くなるということは、悪質なユーザーも増加し、犯罪の手口が変化することにも繋がります。取引所やウォレットの管理システムは万能ではなく、それは法定通貨の銀行も同様です。

自身の貴重な財産を預けたままにせず、日常的な通貨と同じように「財布」の中で保管し、他者の手が届く場所に置かないように心がけましょう。繰り返し注意喚起しますが、仮想通貨を大量保有する際は、必ず自身の財布を用意して、他者の手に届かない場所に保管することを推奨します。

ウォレット利用の注意点:何があっても自己責任です。      

ウォレットは必ずしも安全を保障するものではありません。悪質ユーザーは状況によって臨機応変に手口を変え、様々な攻撃を仕掛けてきます。インターネットを利用している以上、確実に被害を阻止することは不可能です。

通貨消失の原因を作るのは、他者だけではありません。アドレス・パスワードの損失や、ハードウェアウォレットの紛失・破損による「セルフGOX」が相次いでおり、個人の管理能力も問われます。

仮想通貨の担保者は存在しません。多額の損害を被ることになっても法人の保障を受けることは出来ず、全て保有者の責任となります。資産喪失のリスクを最小限に抑えるためにも、万全の保護と対策をしましょう。

 
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